俺はつぐの冷たい髪をまさぐりながら、頭頂部にキスをする。
「つぐが足りない。全然足りない。つぐは?
つぐは俺が足りてるの?」
つぐの耳がクレヨンの赤のように色をつける。
「……、つぐだって…、足りないよ。
せんぱいが、足らないもん……///////」
一人称をつぐ。と俺に言うときは甘えてる証拠だ。
いつも俺は先輩で、それは変わらない。
だから、普段はつぐの俺に対する一人称は"私"だ。
「つーぐー、顔あげて…?」
おそるおそる顔をあげるつぐの両頬を包み込む。
むぎゅっとほっぺを挟むと唇がむにゅとたこになる。
「ひゎぁ!せんぱーい、はなしてー!
たこになってるー」
つぐが俺の両手首を握る。
「やぁだ。このままちゅうしちゃう」
ちゅっと音がなる。
「ひゃあ、変な音出たぁ…(>_<)//」
唇がたこのままつぐはこちらをじっと見つめる。
「…、明輝せんぱい」
「!?」
つぐが明輝と呼んだ。
「どしたの?つぐみ」
俺もあだ名でなく名前を呼ぶ。
「ふ、普通の、ちゅ、ちゅうがしたいです…////」
真っ赤な顔も上目使いも、めちゃくちゃにしたいくらい可愛かった。
「じゃあ、目を閉じてください…」
つぐみはそっと目を閉じた。
白い肌も桃色の頬も長い黒い睫毛も全部、全部、ほしい。
俺はそっとつぐみの唇に自分の唇を重ねた。
唇を離して見つめ合う。


