「以前も話した通り、この世界は近い未来、破滅へと自ら向かうでしょう。それを救うことができるのはもうこれしかないのですね」 私の愛おしい子の頬に優しく触れながら。 楓お祖母様は悲しくも優しい笑みを浮かべた。 「いいですか、真理絵。これはアナタに託す最期の願いです。アナタがこれを実行するかどうかにより世界は変わります」 気が遠くなるほど長い時間を生きてきたその瞳が私を見つめながらもどこか遠くを見つめる。 そう、まるでほんの少し先の未来を見据えるかのように。