ただの人間のくせに。 「闇よ、他の者を我の元へ運べ」 俺の詠唱と共に黒い煙のようなものが現れ、紗久を一瞬で男たちの所から俺の所へ運ぶ。 「お、お前、まさか魔法使い!!?」 魔法を見て化け物を見るかのような目で俺を見つめる男たち。 「あぁ。殺されたくなければさっさと消えろ」 「うぅ、ひぃぃぃぃぃっ!!!」 俺はそんな男たちを力いっぱい睨んだ。 そして男たちはすぐにその場から立ち去ったのだった。