教え込まれた通りに足を運ぶ。


「おい、神崎社長の隣に居るのって…。」


「この様な場に来るとは珍しい…。」


「噂の次期社長ですわ!」


私が会場に入った途端ザワザワと騒ぎ出した。


「朱音ったら人気者ね?」


『まぁ、お母様。全く嬉しくありませんわ。』


「笑顔が崩れてるわよ!」


あ、笑顔笑顔…。


『気のせいですわ!』


あー…作り笑いって疲れるね。


「神崎さん、お会い出来て光栄です。」


「まぁ!なんて素敵なドレス!!」


「宜しければ話を伺っても!?」


私達に群がるように周りを囲まれてしまった。


『まぁ、そんなに慌てないで下さい。
私は逃げたりしませんよ?』


ぶっちゃけ逃げたいんですけどね。

『神崎』の名のブランドを欲しがる
私利私欲なコイツらから。