白スーツ姿のままの朝比奈先輩が、私の腕を掴む。 そのまま男の子を睨み付けるから、私の手首を掴んでいた男の子の手は離れた。 「っ、彼氏いないんじゃないのかよ…」 それだけ言い捨てて去っていった男の子たちに、ほっと息をつく。 「ありがとうございます…!」 王子様姿の朝比奈先輩は、近くで見るとさっきよりも100倍くらい格好良くて。 しかも、こんな風に助けてくれるなんて、本当に王子様みたいで。 それに、さっき… 有紗って、呼んだ…。 パッと離されてしまった手に、少し寂しくなる。