・ ・ ・ 「朝比奈くん、今日カラオケ行こうよ〜」 「えー、私たちとご飯行こうよ!」 移動教室のため廊下を歩いていると、前の方から聞こえた黄色い声。 「あ……」 そこには、綺麗な女の子たちに囲まれる朝比奈先輩。 さすが、人気者だなぁ。 「…大丈夫?」 隣を歩いている紫乃が、私の顔を覗き込む。 「…え、何が?」 「好きな人が女の子に囲まれてるのって、複雑じゃない?」 ああ、そういうこと。