「もう、何がそんなに良いんだか」 「え、朝比奈先輩?」 確かにイケメンだけど近寄り難いし、私には分からないなぁ。 なんて机に広げていたチョコレートを食べる紫乃。 …朝からチョコレートって、どうなんだろう。 まあ良いけど。 「分かってないなぁ、朝比奈先輩は素敵な人なんだよ」 「ふーん?」 紫乃が分かってなくても。 周りの女の子みんな知らなくても。 私は彼が、本当はすごく優しい人だって知ってる。