「……何味にするの」
よっぽど恥ずかしかったのか、まだ少し照れている朝比奈先輩。
「うーん、いちごホイップかなぁ…」
店頭に並んだディスプレイを見ながら、悩む。
カラフルなクレープは、どれも美味しそうで。
うん、でもやっぱり。
「いちごホイップにします!」
そう伝えると、朝比奈先輩は店員さんに
「いちごホイップとチョコバナナひとつずつ」
と注文してくれた。
「2点で800円になります」
自分の分の400円を出そうとすると、それよりも先に800円出してしまった朝比奈先輩。
「いいよ、これくらい」
「えっ、悪いです!」
「俺が誘ったんだからいいって言ってんの」
そんな優しいこと言ってくれるから、素直に奢ってもらうことにした。
「えへへ、ありがとうございます!」
「…ん、早く食えよ」



