「朝比奈先輩、おはようございます!」





11月の初め。


通学路で前を歩く朝比奈先輩に駆け寄ると、おう、と返事してくれた。




「…」


「…?」





期待を込めた目で見つめる私に、首をかしげる朝比奈先輩。

その仕草は可愛いんだけど、可愛いんだけどね?



…覚えてない、ですよねー…。




がっくりと肩を落として、スマホのカレンダーを見る。