不器用な彼が隠した2文字




「っ、あの、違うんです!

デートって言うか、私が無理言って付き合ってもらったっていうか……」




さっきから不機嫌そうに何も言わない朝比奈先輩に申し訳なくて、勝手に口が動いた。


驚いた顔をしているのは、6人だけじゃなくて朝比奈先輩もで。




「だから、そのー…」



朝比奈先輩の趣味が悪いとか、そんなこと思わないで…。


朝比奈先輩は人気者で。


私のせいで嫌な思いなんて、絶対にさせたくなくて。






「…行くぞ」




瞬間、私の手からジュースを受け取って。


その手首を掴んでくるりと背を向ける朝比奈先輩。




「え……」