黒のニットが、意味がわからないくらいに似合っている。 制服とは違う雰囲気が大人っぽくて、なんていうかもう、ありがとうございます…! 「…何見てんの」 「素敵ですね、私服!」 「それはどうも……」 パッと顔を逸らした朝比奈先輩は、駅の中に入っていく。 慌ててそれを追いかけながら、私服版の朝比奈先輩の後ろ姿に見とれてしまう。