どこに、行くんだろう。 行き先を聞いても、秘密、なんて言われてしまった。 朝比奈先輩が考えてくれるなんて嬉しすぎるし、楽しみだし。 20分くらい前に着いてしまった駅で、緩む頬を必死で隠しながら朝比奈先輩を待った。 「あっ、朝比奈先輩!」 集合時間の5分前。 駅前に現れた朝比奈先輩にぶんぶんと手を振って、それから彼の私服に叫びだしそうな口を手で押さえた。