「っ、好きです…」




口にした瞬間、止まったはずの涙がまた溢れた。


泣き出した私に、慌てる朝比奈先輩。

そんなところも、好きで。





「好きなんです…

冷たいくせに、優しくて…っ

周りのこと、しっかり見てて

本当は誰より、気遣いができて…



もう、どうしたらいいか分からないくらい好きなんです…!」






爽やかに、私たちの間を駆け抜けた風。

いつの間にかオレンジ色に染まった空が、私たちを包み込むみたいに。