「だって朝比奈先輩、私のこと嫌いなんだよ?」 はぁ、と呆れる紫乃に、首を捻る。 「本当に嫌いな人に、朝比奈先輩がそんなに構うと思うの?」 「それは…思わない、けど」 でも、だって。 私のことが好きだなんて、そんなこと思うほど自信がない。 だとしたら、私を嫌いな理由は…? 「…朝比奈先輩には、口止めされてたけど」 紫乃は少し考えて口を開くと、私の首のネックレスを指差した。