不器用な彼が隠した2文字





「まさか、探してくれたんですか!?」





驚いて朝比奈先輩の方を見ると、パッと逸らされた顔。


「あー、見かけたから…拾っといた」




だけど、そんなこと言うけど、でも。


朝比奈先輩の手にはいくつもの擦り傷。


それはきっと、あの草むらを探してくれたっていうことで。




「手、怪我してる…」


「別に、こんなの怪我に入らねぇよ」


「でも、あの草の中探してくれたんですよね…!?」





そう言うと、あーもう、とまた顔を背ける。