「……そんなの、勝てるわけなじゃない…」


「え…?」




小さくてよく聞こえなかった声に聞き返すと、織花さんは小さくため息を吐いた。




「私、理生くんに告白したの」






伏し目がちにそう呟く織花さんの綺麗な髪が、風に揺れた。

ワンピースの白も、一緒に。




「今まで、ずっと勇気がなくて言えなかった。


でもね、振られてもね、


私、好きだって言えて良かったと思ってる」






その言葉は、すごく切なくて。

だけどなんだか、織花さんの表情は柔らかくて。


恋って、キラキラしてる。


そんなことを思った。