「…小日向有紗っている?」





教室の入り口で呼ばれた名前に、目を向けると。



「え……」




そこにいたのは、黒髪パーマのイケメン。



「朝比奈先輩、初めてあんなに近くで見ちゃった!」

「やっぱり格好良い〜!」



きゃあっと言う女の子たちの歓声。

そして、「有紗知り合いなの!?」という質問攻め。




うう、何だろう…。

この前ぶつかった肩が痛い、とか言われたらどうしよう。



キリッとしているんだけど、整っているんだけど。


だけど綺麗なせいで逆に何だか怖い表情。



ほら、美人が睨むと怖いとか言うでしょ、そういう感じで。