「…じゃあ、俺行くわ」 「うん、ありがとう」 「こっちこそありがとう」 春希が出て行った教室は、急に静かに感じる。 「…ごめんね」 たくさん傷付けたかもしれない。 でも、好きになってくれて。 離れてる間も好きでいてくれて、嬉しかった。 少し開いていた窓から風が吹いて、白いカーテンがふわりと膨らんだ。 初恋の相手が、春希で良かったよ。