不器用な彼が隠した2文字





だから、好きなんだよ。

だから、諦められないんだよ。



だんだん空が暗くなって、手元が見えにくくなっていく。



「見つからない…」




…諦めろって、言われてるのかもしれない。


朝比奈先輩への想いで付けてたネックレスがなくなったのは、そういうことなのかもしれない。



「…今日はやめようかな…」




日も落ちてきたことに気付き、そう呟く。


まだ6時だけど、秋だから日も短い。









「ーー小日向?」





「っ……朝比奈、先輩…?」





ゆるいパーマの黒髪。

着崩した制服。



どうしたって、私の胸はきゅん、と音を立てた。