「探さなきゃ…」 慌てて、ネックレスの落ちた方を覗きこむ。 「何してるの? 汚いでしょ、そこ… そこまでして何で…」 意味が分からない、って顔をする織花の目を、やっと正面から見ることができた。 「朝比奈先輩が見つけてくれたものだから。 大切な、きっかけだからです!」 それだけ言って、また茂みの中を探す。 「っ…バカみたい」 そう呟いた織花さんは、くるりと背を向けて走って行ってしまった。