不器用な彼が隠した2文字






「ちょっといいかな?」




花が咲いたみたいに可愛い笑顔を見せる織花さんは、私を待っていたみたいだ。


はい、と頷くと、フェンスに寄りかかる織花さん。

私も横に並んだ。






「理生くんが、離れて行っちゃうかもしれないの」




「…え?」




寂しそうに目を伏せる織花さんに、驚いて目を見張った。





「…ざまあみろって、思ってる?」




ふふ、と笑う織花さんの目は、泣きそうだった。