「…やっぱ、ないよね」
次の日も、その次の日も。
何だか気になって草むらと木々の間を覗き込んでみるけど、ネックレスは見つからない。
好き放題に伸びた草も木も、少し手を伸ばしただけで、手に擦り傷ができるくらいで。
さすがにこれは、探せない気がする。
『これ、有紗っぽいなと思って』
そう言って彼がくれたネックレスは、ピンクゴールドで、小さなハートが揺れていて。
私っぽいなんて言ってもらってもいいのかな、って不安になるほど可愛くて華奢なネックレスだった。
泣いてしまうほど嬉しくて、学校につけていったら先生に怒られたっけ。
なんて思い出して、クスリと笑う。
幸せだったな、なんて。



