不器用な彼が隠した2文字





誰もいない教室の教卓の上にドサッとノートを置く。



「手伝ってくれてありがとう」

「…ん、じゃあまた明日な」



それだけ言って教室を出た春希は、さっきより元気がなくて。


本当は私だってもう、どうしたらいいかわからない…。




そういえば、今日は朝比奈先輩見かけなかったなぁ。



そんなことを思いながら、ローファーに履き替えて外に出る。





「…あれ」



校門のところに人影。

艶のある黒髪と、女の子らしいロングスカート。


織花さん…?