「朝比奈先輩!」 昇降口、前を歩く大好きな背中に駆け寄る。 振り向いた彼は私の顔を見て、 面倒臭そうにため息をついた。 「ため息はひどいと思います」 「面倒くせえなと思ったんだよ」 直球……! オブラートに包もうとかいう気遣いがまるでない朝比奈先輩。 でもそんなところも好きだ。 「今日も格好良いですね」 「…朝からうるさいんだけど」 そんなつれないところも、好き。