不器用な彼が隠した2文字




ガタッ



そのまま強引に玄関の壁に押し付けられて、スマホを入れたままのバッグがドサッと床に落ちた。



私の手首を掴んで、身体ごと朝比奈先輩に閉じ込められる。






「朝比奈…先輩…?」



「……そのネックレス、アイツから貰ったの?」




アイツっていうのは、この流れからいうと春希のことだろう。


小さく頷くと、ふーん、と不機嫌になる朝比奈先輩。



チャリ、とネックレスを指にかける朝比奈先輩の手が首に触れて、きゅっと身体を強張らせた。


熱があるからか、手が熱い。