「…お粥でいいですか?」 こう言ってしまう私は、惚れた弱みってやつだ。 「いや、冗談だって」 「でも朝比奈先輩、このままだったらご飯食べないつもりでしょう?」 「それは……」 じゃあお邪魔します、と強引に家の中に入ろうとすると。 「風邪うつるから、帰れ」 「私、バカだからあんまり風邪ひかないです」 ここまで来たら、なんかもう意地だ。 私を帰らせようとする朝比奈先輩は、くしゃっと自分の前髪を触った。 困ったときの、癖。