不器用な彼が隠した2文字







「…じゃあ、お前が作ってよ」





…はぁ!?



「なんでそうなるんですか!」




さすがに、昨日あんなことされた人の家に上がりこんだりしないよ!

…覚えてないのかも、しれないけど。





「…嘘だよ、バーカ。

風邪移らないうちに、早く帰れ」




そう言ってドアを閉めようとする朝比奈先輩。




「そうだ、プリントありがとな」



……だから。

急に、優しくするのは反則だってば。




マスクのせいで表情は見えないけれど、その背中はなんだか寂しそうな気がして。