「……こ、こんにちは」





昨日のことは忘れてるかもしれない。

そう思うことにしたのに、いざ顔を見るとどうしたってあのドキドキを思い出してしまう。




「…ありがと」



私の手からプリントを受け取った朝比奈先輩は、マスクをしていて、黒のスウェットを着ている。


セットされていない髪はなんだか可愛い、なんて思ってしまった。





「頼まれたって、誰に?」


「あ……朝比奈先輩の、お友達の…」


「…あいつか」



思い当たる節があるらしく、少し眉をひそめた。




……やっぱり迷惑、だったかな。