不器用な彼が隠した2文字





ぐらりと視界が揺れて、目の前には白の布団。



ベッドに横になった私を、背中から抱きしめているのは信じられないことに朝比奈先輩で。



朝比奈先輩の体温で温まったベッド。

腰に回された、力強い腕。

首筋にかかる、朝比奈先輩の吐息。

耳に触れる彼の柔らかい髪。





全てにドキドキして、心臓が壊れるんじゃないかってくらいにうるさくて。



これだけ近くにいたら、朝比奈先輩にもこの音が聞こえてしまうかもしれない。


そう思ったらもっと恥ずかしくなって、さらに鼓動が速くなる。