不器用な彼が隠した2文字




保健室にふたりきりで。


そんな嬉しいはずの状況なのに、胸は苦しくて。


その冷たい視線ですら、私が朝比奈先輩の視界に入っていることが嬉しくて。


だけどやっぱり、嫌われたくなくて。






ーーーガラッ




時計の秒針の音と、自分の心臓の音。

それくらいしか聞こえないような沈黙を破ったのは、ドアの開いた音。