「有紗、パス!」


「はーいっ!」





体育の授業、バレーボールで回されたパスを、思いっきり背伸びして受け取ろうとすると。



「いっ…」




かする程度にしか届かなかった指が、ボールに当たってピキッと痛んだ。


突き指したかも…。





「有紗どうかした?」


「ううん!ちょっと痛かっただけ!」




そう言ってまたバレーボールを再開する。

最近の私は完全に空元気で。



何も考えないようにするために、バレーボールに集中したりして。






キーンコーンカーンコーン…







授業の終わりを告げるチャイムに、1人で保健室に向かった。