「有紗、校内案内してよ」
「一緒に帰らない?」
晴希はびっくりするくらい積極的で、少し戸惑ってしまう。
だけど私の大好きだった晴希はやっぱりそこにいて、だから私も強くは拒めなくて。
「好きな人って誰なの?」
そして今日も一緒に帰ることになっている。
「…先輩、だよ」
「どんな人?」
「朝比奈先輩。
うちの学校なら誰でも知ってるくらい、モテる人」
「ふーん、そんなハードル高い恋してるんだ?」
…ハードルが高いっていうか、もはや越えられない高さっていうか。
おまけに彼女までいるんだから、私には到底手が届かないっていうか。



