自然と動きを止めた私の足。 少し離れた目の前では、大好きな彼に駆け寄る、可愛らしい女の子。 さらりと風になびく、艶のある黒髪。 駆け寄った拍子に、ふわりと舞った白のロングスカート。 透き通るような白い肌と、折れてしまいそうなくらい細い身体は、守ってあげたくなるような女の子で。 思わず、パーマもカラーもした自分のミルクティー色の髪を隠したくなった。 「っ、どうした?」 驚きながらも、くしゃっと彼女の髪を撫でる朝比奈先輩に、嫌でも思い知らされてしまった。 噂はきっと、本当だ。