不器用な彼が隠した2文字






「どうだろうね」






「え?」



「どっちだと思うの?」





はっきりとした答えは言わずに、くるりと背を向ける朝比奈先輩。




なにそれ、答えになってないし。

そんな逃げ方、どう考えたってずるいし。


どっちだと思う?なんて、わからないから聞きに来たわけで。







「っ、教えてください!」




ゆっくりと階段を降りている朝比奈先輩の背中に叫ぶと。