不器用な彼が隠した2文字






「何味にしますか!?」



「んー、チョコ」


「朝比奈先輩、チョコ好きですよね」



クレープ食べた時も、チョコバナナだったし。

そう付け加えると、



「なんで覚えてんの、気持ち悪いんだけど…」


なんて眉間にしわを寄せた。


そりゃあ、好きな人のことだから覚えてるわけで。





学校と駅の間にあるアイス屋さんでチョコレートアイスとラズベリーアイスを買って、 席に座った。


お金は、朝比奈先輩が払うって言ってくれたんだけど…。


お礼に誘ったのは私だし、この前のクレープは奢ってもらったし。


意地でも私が払うと譲らなかった。





放課後、朝比奈先輩と寄り道することができるなんて、少し前には思いもしなくて。


幸せだなぁ…。




チョコアイスを食べる朝比奈先輩を見ながら、思わず頬も緩む。