「すみません、泣いてしまって。」



「全然、大丈夫だよ!」


また、無邪気に笑う。胸がキュッて締め付けられて苦しくなる。わかってる、私もそこまで鈍感じゃない。だけど私は悪い子だから、その気持ちに蓋をする。


まず、まだ出逢ったばかりだから。ちゃんと落ち着こう?


「先輩は、なんでここに?」


ふと、そう思った。こんな人が来ないような怖い場所好んで来ないだろう。すると、先輩から笑顔が消えた。


「もう、無理だからだよ」


小さく、本当に吐息のように静かに温かく出てきた言葉は私には意味がわからなく、地雷を踏んでしまったみたいでまた泣きそうになる。


「なーんてねっ!ここは、一人になりたいときに来るんだ!」


寂しそうな声から明るい声に変わる。先輩は、空を見ていた。口角を上げて笑顔で。



「そう、なんですか、」