私にかまうなっ!

「じゃあ・・・ありがと」

そういって私は彼を見送った。

彼の表情は後ろ向きで見えなくて

姿は暗くなった町に、とけて

いった。

彼の姿が完全に見えなくなったとこ

ろで、私は家の扉をパタリとしめる。

「ふう・・・」

そういえば私、男と帰ったこと

ないんだったっけ?

・・・・どうしてあの人は大丈夫だった

んだろう?・・・イケメンで、性格

悪そうで、わがままで自分勝手で

・・・私の初恋の人と、すごく似てて。

・・・似て過ぎて・・・。

「・・・ううん」