「・・・おぼえて、ないのか」

え?おぼえて、ない?

「何が?私なんか忘れてる?」

「・・・・なんでもない」

え、ちょっと!?はぁ!?

「ちょっと!なんなのよ!教えな

なさいよ!!」

でも彼は、悲しそうな、切なそうな

複雑な表情を見せた。

「・・・帰る」

もうあたりも暗くなってきてところ

どころに街灯が見える。

「・・・そっか」

私は納得はいかなかったけど、これ以上は

暗くなると迷惑なので引き下がった。