「コンビニでも寄ってくか?」




「うん、そうだね」






ソウは総長になってバイクに乗らなくなった。




総長は狙われる事が多いらしく、怪我のリスクが高いバイクにはあまり乗らない事になってるらしい。





そんな事言われるまで知りもしなかったけど、確かにケイゴがバイクに乗っているのを見たことない気もする。





ソウのいつも乗るシルバーの車は、だいたい学校から少し離れた先にある公園前に止められていてそこに向かう途中、私とソウが歩く歩道脇に一台の黒塗りの車がなめらかに停車した。





それにすぐさま反応したのはもちろん私の隣にいるソウ。むしろ私なんかまるで気が付いてもいなくて





ソウは私を背中に隠すようにして車を睨みつけると黒塗りの車の窓がゆっくりと開いた。






「よぉ」





そんな軽い声に思わず「え?」とすっとぼけだ声が出る。





だって知らない車だったし。黒塗りであきらかに怪しげだったし…




なのに中から顔を出したのはまさかのケイゴだった。





「ケイさん?」





それにはさすがのソウも少し驚いたようで、明らかに白夜月の敵だと思って警戒しまくっていたのに…