溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜

「大丈夫です、昌磨さん。
 私、あんまり酔わないんですよ」

「……今、めちゃくちゃ酔ってるように見えるのは気のせいか」

「いやー、でしたら、それはあれですよ。

 あそこが安心できる場所だからですよ。

 マスターもよしよしくんも、昌磨さんも大好きです。

 お客さんもみんな落ち着いてて大人で雰囲気いいし。

 あそこ行くと、ふわーって解放される気分なんですよ」

「そうは見えないが、会社では一応、気を使ってるのか?」

 使ってますよーと言うと、
「で、俺は、一番最後なんだな」
と言ってくる。

「は?」

「マスターと良の後か。
 っていうか、その並びに入るのか」

「はいっ。
 みんな大好きですっ」

「話、通じてないだろ、お前……」

「そうなんですか?
 すみません」
と言うと、いや、謝られてもな、と言う。

「話、通じてないなら、すみません。
 今日は呑まないつもりだったのに、よしよしくんが勧めるから〜」

「まあ、それは俺も同罪だ。
 奢ってやると言った手前、勧めてしまったし」