「今日は仕事中、無になった心で、樹海から、パソコンマスターが現れる幻を見ましたよ」
今日こそ食べよう、と早めに店に行って、花音はハニートーストを頼んでいた。
食べながら満足そうに花音がそう言うと、良が、
「ねえ、花音さんの会社、なんかいかがわしい会社なの?」
宗教? と言ってくる。
「もう~っ。
よしよしくんには伝わらないかなあっ、この感じっ」
とわめくと、うそうそ、と良は笑う。
「忙しいとき、一気に料理を仕上げて、効率良くお酒を作りながら、運んだときみたいな感じでしょ」
そう言う良に、そうそう、と花音も笑って答える。
「面倒臭い仕事も多いけど、こういうときは、部署内でも一体感があって、仕事って結構楽しいなーとか思うのよね」
「でも、月曜になったら、行きたくないとか思うんでしょ」
と笑われ、
「そりゃそうだけど」
と言う。
「昌磨さんも今日は機嫌いいよね」
とカウンターにすがってなにか楽器の雑誌らしきものを見ていた昌磨に良が呼びかける。
「そうなの?」
まだ時間が早いので、店内には他に客もおらず、昌磨も良も思い思いのことをして、寛いでいた。



