溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜

「えーっ。
 そうなの?

 紹介してっ。

 あんたのお兄ちゃんなら、そこそこ格好よさそうじゃない」

「そこそこって……」

 そんなこと言う人には紹介しませんよーだっ、と言った。

 なんだかんだ言いながらも、実は自慢のおにいちゃんだ。

 あれが朝から晩まで側に居たから、ついつい、恋する相手に求める基準も高くなった。

 おのれを顧みることもなく。

 だが、その高い基準も、課長に関しては、もちろん、すべてクリアだ。

「いやいや、格好よさそうじゃん」
と香穂は言い直してきた。

「拓海はどうするんですか?」

「もちろん、沢木くんの方も頼むわ。
 でも、沢木くんと付き合えるかはわからないじゃない」

 うーん。
 それはそうだが。

「まあ、受験だって、何校も受けますもんね」

「……あんた、他にいい例えはないの?
 っていうか、あんたはどうなの?」
と訊いてくる。

「は?
 私ですか?」

「課長でうまく話は進むの?
 めちゃめちゃハードル高そうなんだけど、あの人の彼女とか。

 格好いいけど、一緒に居ると、緊張しそうだし、気難しそうだし」

 私はやっぱり、沢木くんみたいなタイプがいいなー、と香穂は言う。