溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜

「あのエレベーターなんか、外から見えるうえに、監視カメラまでついてるぞ」

 それでもお前、やろうとしたんだろ、と言われる。

 ほら、と自分を促す昌磨を見つめ、黙っていた。

 出来るかな……?

 いや、出来ないだろう。

 だって、やっと、昌磨さんからしてくれるのが、受け止められるようになったくらいなのに。

 そのまま、困った、という顔ですがるように見つめていると、昌磨が笑う。

「やっぱ、こっちがそうだろ」

「え?」

 ハニートラップ、と言い、昌磨は自分から口づけてきた。

 風にふわりと髪をあおられ、目を閉じていても、此処が高所なのだと感じられたが、不思議と怖さは感じなかった。

「昌磨さん、好きです」

「うん」

「昌磨さんの手が好きです。
 顔も好き。

 ピアノ弾いてるときの横顔も。

 運転してるときの顔も好き。

 仕事でちょっと怒ってるときも。

 大真面目な顔で、ええっ? そういうこと言うっ? ってことをやらかすときも」