溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜

 そのまま、見つめていると、昌磨が言う。

「下を見なきゃいいじゃないか。
 どうせ、暗闇なんだから」

「そうですね」

「なんでも、やってみないとわからないもんだろ?」

「いや……わかってますよ」
と言い、花音は昌磨を振り向いた。

 彼がなにを言いたいのか、わかる気がした。

「すみません。
 昨日、実は、課長が来る前に、拓海にキスされました」

「……お前は本当に言わなくていいことまで言うな。

 お前の公明正大さは嫌いじゃないが、胸に秘めとく方が相手のためってこともあるんだぞ」

「では、課長もなにか私に秘密があるんですか?」
と言うと、

「……あるよ」
と言ってくる。

「それはともかく、お前、簡単に沢木のことも言ってくれるが。

 例えば、俺が他の女と」

 そう言いかけ、
「いや、お前はそんなこと、なんとも思わないか」
と勝手に結論づける。

「お前は、俺の手だけが好きなんだろうから」

「意地悪ですね。
 なにも思わないわけないじゃないですか」

 上目遣いに見上げると、昌磨は言った。