でも、人は自分にないものを求めるというからな。
ルックスも運動能力も充分な拓海様が、自分にない駄目な部分を求めているとでも言うのだろうか。
おのれ、拓海め、と理不尽な怒りを抱く。
「どうかしたのか?」
と怯えたように昌磨がこちらを見た。
「す、すみません。
凶悪な顔になっちゃってました……」
と苦笑いする。
「でも、そういえば、課長は、なんでもいい方に解釈してくれるじゃないですか。
だったら、何故、あのときの優勝もいい方に考えなかったのかな、とか、ちょっと思ってしまったんですが」
と問うと、昌磨は不思議そうな顔をする。
「俺が一番だ。
そうじゃないと思ったジャッジが居たのなら、そいつが間違ってるんだ、くらい思ってたらどうですか?
そのくらいの演奏でしたよ。
だからほら、ジャッジも一番だと思ったんだけど、あらかじめ買収もされてたってだけの話じゃないですか?
ジャッジ的には買収されてたのに、胸も傷まずにすんで、いいコンクールだったってことで」
「……ものすごい話の締め方をするな」
と呆れたように言ったが、一拍、置いて昌磨は笑い出す。
「あのとき、
お前が側に居てくれればよかった」
と言う昌磨に、
「いえ、居たんですよ。
課長が私を知らなかっただけで」
と言った。
ルックスも運動能力も充分な拓海様が、自分にない駄目な部分を求めているとでも言うのだろうか。
おのれ、拓海め、と理不尽な怒りを抱く。
「どうかしたのか?」
と怯えたように昌磨がこちらを見た。
「す、すみません。
凶悪な顔になっちゃってました……」
と苦笑いする。
「でも、そういえば、課長は、なんでもいい方に解釈してくれるじゃないですか。
だったら、何故、あのときの優勝もいい方に考えなかったのかな、とか、ちょっと思ってしまったんですが」
と問うと、昌磨は不思議そうな顔をする。
「俺が一番だ。
そうじゃないと思ったジャッジが居たのなら、そいつが間違ってるんだ、くらい思ってたらどうですか?
そのくらいの演奏でしたよ。
だからほら、ジャッジも一番だと思ったんだけど、あらかじめ買収もされてたってだけの話じゃないですか?
ジャッジ的には買収されてたのに、胸も傷まずにすんで、いいコンクールだったってことで」
「……ものすごい話の締め方をするな」
と呆れたように言ったが、一拍、置いて昌磨は笑い出す。
「あのとき、
お前が側に居てくれればよかった」
と言う昌磨に、
「いえ、居たんですよ。
課長が私を知らなかっただけで」
と言った。



