「ど、どうぞ、私の部屋です」
と花音は扉を開けて、部屋を見せる。
うっ。
拓海が言うように、ちょっと無駄な雑貨が多いかな、と思った。
昌磨が入り口に立ち、物珍しそうに眺めている横に、何故か、看守のように彰人もついて来ている。
だが、彰人はすぐに、
「じゃあな、昌磨。
俺はちょっと電話してくるから」
と携帯を手に言った。
「あ、ようやく電話する気になったんだ?」
と花音が言うと、
「……俺は誰に電話するとも言ってないが」
と言ってくる。
そそくさと自分の部屋に引き上げる後ろ姿を見ながら、こういうときは可愛いな、兄、と思っていた。
彰人が隣の部屋に入ったあとで、
「どうぞ」
と昌磨を招く。
一歩入った昌磨は、
「可愛い部屋だな」
と言ってくれた。
「も、物が多くて鬱陶しいとか思いませんか?」
と言うと、改めて見直した昌磨は、そこは否定せずに、
「お前らしい部屋だろう」
と言ってくる。
うう……。
それにしても、部屋に通したはいいが、なにをして、もてなせばいいものやら。
タイやヒラメなら舞い踊るところだが。



