昔、私に手を出したことで、今でもちょっとずつ拓海をシメてやっている、みたいなことを言ってたけど、まさか、これがそうとか?
あのことをネタに拓海を脅してやらせているのだろう。
「自分が楽してるだけじゃないの」
あまり妹への愛は感じられない行為だと思いながら、花音は、
「ちょっと退いて、拓海」
と言いざま、塀の上に登り、拓海の家の庭へと飛び降りた。
「お前……この間は、俺にそれやるなって言ってなかったか」
と言ってくる。
「私は木は登ってないわよ」
と言いながら、花音は靴を一足、手に取った。
「花音」
「もう一個、ブラシないの?」
「いいよ。
服が汚れるぞ」
と拓海は花音の手から靴を取り返す。
「普段着だもん。
大丈夫だよ。
それに、今日は外でなにかしてた方が気持ちよさそう」
と花音は空を見上げる。
すると、倉庫の方に行った拓海がブラシをもうひとつ持ってきて、投げてくれた。
二人で並んで、スニーカーを洗う。
「昔もさー、自分で靴洗うとか言って。
ほら、小学校のとき」
「ああ。
ほとんど水遊びみたいになって、頭から水かぶったみたいに濡れて、めちゃめちゃ怒られたな」
と拓海は笑う。
あのことをネタに拓海を脅してやらせているのだろう。
「自分が楽してるだけじゃないの」
あまり妹への愛は感じられない行為だと思いながら、花音は、
「ちょっと退いて、拓海」
と言いざま、塀の上に登り、拓海の家の庭へと飛び降りた。
「お前……この間は、俺にそれやるなって言ってなかったか」
と言ってくる。
「私は木は登ってないわよ」
と言いながら、花音は靴を一足、手に取った。
「花音」
「もう一個、ブラシないの?」
「いいよ。
服が汚れるぞ」
と拓海は花音の手から靴を取り返す。
「普段着だもん。
大丈夫だよ。
それに、今日は外でなにかしてた方が気持ちよさそう」
と花音は空を見上げる。
すると、倉庫の方に行った拓海がブラシをもうひとつ持ってきて、投げてくれた。
二人で並んで、スニーカーを洗う。
「昔もさー、自分で靴洗うとか言って。
ほら、小学校のとき」
「ああ。
ほとんど水遊びみたいになって、頭から水かぶったみたいに濡れて、めちゃめちゃ怒られたな」
と拓海は笑う。



