今、私はいけないことをしようとしている。
明日、バレたら怒鳴られるかも。
私の性格からいって、秘密とかって苦手だし。
家に帰った花音は、相変わらず、帰宅の遅い娘を心配することもなく寝静まっている家の中をそうっと歩いた。
誰も居ない兄の部屋に行き、淡いピンクのノートパソコンを取ってくる。
花音のパソコンだ。
だが、みんなにつられて買ったものの、ほとんど使ってないうえに、なんだかわからないが固まってしまって、彰人に、直して、と言って放ったままだった。
最後に見たのは、友達のブログか。
そんな状態なので、彰人もどうせ使わないだろうと思って、直していないかもしれない。
そう思いながらも、久しぶりに電源を入れてみる気になった。
仕事始めてから、家でまで、パソコンの画面、見たくないんだよね〜。
昌磨が聞いたら、誰が機械もの得意なんだ、と言ってきそうだが。
頼れる人が居ると、ついつい、自分ではやらなくなる。
窓際のデスクで起こしてみると、パソコンは見事に立ち上がった。
ネットにもつながる。
彰人はちゃんと直してくれていたようだ。
明るい画面を見つめ、花音は唾を呑み込んだ。



