溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜




 今日もいい演奏だったなー。

 昌磨が送ってくれると言うので、客が帰ったあとも、花音は店の中をウロウロしていた。

 椅子をテーブルに上げて、良が掃除をしていたので、なんとなく手伝って、椅子を上げる。

「いいよー、花音さん。
 めんどくさいときは、朝したりするんだけど。

 僕、明日休みだから、やってるだけだから」

「よしよしくん、明日、お休みなの?」

 日曜なのに、と思っていると、
「うちのバンドの野外ライブがあるから、マスターが休ませてくれたんだ」
と良は言う。

「えっ。
 よしよしくん、バンドとかやってたんだ?」

「そうなんだよ。
 花音さん、見に来る?

 昌磨さんにもチケットあげたんだけど、来そうにないから、別の彼氏でも誘ってきて」

「わかったー」
と良がエプロンのポケットから出してきたチケットを受け取りながら言うと、

「……わかったってなんだ」
と横から昌磨が言った。