「すみません。
騒がしい母で。
でもあの、なんで、迎えに来てくれたんですか」
と助手席に乗った花音は昌磨に向かい、問うた。
「いや、なんとなくだ」
と昌磨は言うが、車は駐車場に置いてきていたはずだ。
一旦、会社に行ってまた迎えに戻ってきてくれたのだろうか。
拓海に今日は課長と車で行くと携帯で連絡したら、はあ? と言っていた。
「あの、昨日はすみませんでした」
と言うと、
「いや、ゆっくり話せてよかった」
と昌磨は言ってくる。
明るい朝の日差しのせいもあり、そのあとは普通にしゃべれた。
降り際、昌磨が言う。
「花音」
「はい」
「これから毎日、迎えに行ってもいいか」
「え……あ、はい。
でも、ご迷惑じゃ」
と言うと、
「いや、俺はいいんだ。
ついでだから。
でも、お前が嫌ならやめておく」
と言う昌磨はなにか物言いたげだった。



